第19章 眠れぬ夜に
しばらくして、伊東さんの声も聞こえなくなる。廊下に顔を出して様子を見ていた総司君が、土方さんに尋ねる。
「バレましたよ、斬っちゃいます?」
「…。」
土方さんは応えず、千鶴ちゃんを見た。
「今夜は俺の部屋を使え。それから山中。お前は傷の手当てを山崎にしてもらえ。」
「えっ…。あ、ああ!これなら大丈夫です!」
「大丈夫なわけねぇだろ、いいから山崎に…。」
「大丈夫です!!…その…手当てなら…一人で出来ますから…じ、じゃあすいません、おやすみなさい!」
俺は、斬られた右腕を隠しながら、みんなからの驚いた視線を感じながらその場を後にし、部屋へ戻った。
そして、短い夜が明ける…。