第15章 鬼、再び
風間さん達が闇の中へ溶けるように消えていく。
俺は無言のまま、立ち尽くし、千鶴ちゃんは力が抜けたのかふらついてしまっていた。
「っと、千鶴。大丈夫か?」
左之さんが支えてくれたおかげで倒れずにすんだみたいだ。
「…あいつらに狙われる心当たりでもあるのか?」
「…いえ…私にもよく…。」
「潤…あんたはどうなんだ。」
「…俺も…よく、わかりません…。」
風間さんが消えた方を見ながら、なるべく視線を合わせないように答える。
風間さんの言葉に俺はまた戸惑いを覚える。
同胞って言ったかと思えば今度は、保護…?
分からねぇ…俺は一体…何者なんだ?
俺から話を聞いていた左之さんは何か言いたげにこっちを見ていたが、やがて視線を離した。
言い切れぬ不安を残しながらも集まってきた隊士達に持ち場へ戻るよう指示を出す土方さんの声を、ただ聞いていただけだった…。