• テキストサイズ

日常から非日常へ 【薄桜鬼】

第11章 分散行動


長州勢が京都御所を襲うつもりなら、必ず蛤御門を突破しようとすること。
主戦力の会津兵が配備されているのはそのため。
俺と千鶴ちゃんは、走りながら一君にそう教えられた。

九条河原からひたすら走り、ようやく蛤御門に到着した時には、戦いは終わってた。
御門は無事だったけどあちこち大砲を撃ち込まれた跡が残り、その周辺には人が血まみれで倒れてる。

「…ひでぇ…。」

これがほんとに人間のやることなんだろうか。
千鶴ちゃん、顔が青ざめてる。
そりゃそうだろ、池田屋とは規模が違う被害だし、俺も目を背けたいぐらい。

一君と左之さんが土方さんと頷き交わし、二手に分かれる。
きっと情報収集に行ったんだな。


しばらくして一君が戻ってきた。
どうやら、蛤御門へ押しかけた長州勢は
会津と薩摩の兵力によって撤退したらしい。

「薩摩が会津の手助けねぇ…世の中、変われば変わるもんだな。」

なんだか皮肉めいた笑みを漏らす土方さん。確かに会津と薩摩が仲良いなんて聞いたこともねぇな。

左之さんも戻ってきて、公家御門の方にはまだ長州の連中が残ってるらしいとの報告。
土方さんの顔色が変わった。
/ 105ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp