第10章 出陣要請
「そういった通達は受けておらん!さっさとここから立ち去れ!」
役人の声に我に返った俺は、先頭を見渡す。
俺は隣の一君に聞いてみた。
「なぁ、何が起きたんだ?」
「我々がここに来ることが伝わっていないらしい。」
すると後ろにいた左之さんが
「ま、それが無くとも俺達の扱いなんざそんなもんだ。」
「そんな…。」
キレそうになる新八さんを制し、近藤さんが中へ入って上の人と話し合いに行った。
その結果、俺達新選組は、九条河原に向かうことになった。
「どうやら、ここに居るのは予備兵らしいねぇ。」
「じゃあ俺達は予備兵扱いってこと?」
源さんからの言葉に、俺は疑問をぶつける。舐められたもんだな、全く。
時間だけが過ぎていった。
眠いです。が、堪えます。
しばらくして千鶴ちゃんがうつらうつらとしてるのに気付く。
本当は疲れたんだろうなぁ…。
千鶴ちゃんの可愛い寝顔に癒された。
すると、遠くの方で爆発音が聞こえる。
直ぐ様土方さんが行くぞ。と言い、みな走り出そうとする。が、一緒に居た会津藩の一人が
「待て新選組!我々は待機を命じられているのだぞ!」
「…あのなぁ…。」
俺が一言言おうかと思ったら土方さんが前に出てきて
「お前らは待機するために待機してんのか!」
「しかし我々は…。」
「自分の仕事に人かけらでも誇り持ってんなら、てめぇらも待機だ云々言ってねぇで動きやがれ!」
そう言って走り出す土方さんの後を、俺達も急いで追っていった。
出来れば鬼には出会いたくないもんだな。