第9章 帰る場所
「ありがとうございます、左之さん…お陰で大分楽になりました。」
「それなら良かったぜ。さ、帰るぞ。みんなまだ探してるだろうからな。」
「…どうしよ、俺切腹かな…。」
「大丈夫だ、俺も謝ってやるから。な?」
「で、でも…。」
「つべこべ言うな。ほら、行くぞ。」
「あ…。」
俺の手を引いて歩き出す左之さん。
その大きな背中を見つめる。
…あれ、なんだこれ、すんげぇドキドキしてる…。
屯所に帰ってきた俺は、みんなに頭を下げた。左之さんが説明してくれて、とりあえず俺はお咎め無しになった。
逆にそれ、怖いよね。
でもみんな、怒ってなかった。
すっごく心配してくれて、この人達の仲間でいられて嬉しい。
これからは、一人で絶対抱え込まない…ありがとう、左之さん。
そして、ようやく夜が更ける。