第8章 池田屋事件(弐)
「沖田さん!しっかりしてください、沖田さん!」
「僕は、大丈夫…それより、こいつのこと、知ってるの?」
「…あ…その、迷子になったときに…。」
今それ暴露するときちゃうからね!!
俺は刀を抜き、風間に向ける。
「貴様は同胞に向けて刀を向けるのか?」
…はい?同胞?何、千鶴ちゃんと勘違いしてんのか?
「言ってる意味分かんないですけど、誰かと間違えてませんか?俺は新選組一番組副組長…山中潤!」
なんとか沖田さんから遠ざけようと必死に刀を振るう。
実はこの、土方さんからもらった刀…実践では初めてなんだよな…。
「どうした、手が震えているぞ。」
「う、うるさい、うるさい!」
それでも刀を抜かない風間さんに、
「…刀、抜かないんですか。」
「俺は同胞に刀を抜くほど、安くはできておらん。しかし、貴様はどうだ。安安と刀を向け、俺を倒そうとしている。」
「人の話聞いてました?俺は普通の人間です!」
「では、聞くが。貴様はどこから来た?」