第7章 池田屋事件(壱)
「会津中将殿お預かり新選組 詮議のため宿内を改める! 手向かいすれば容赦なく切り捨てる!」
近藤さんの合図とともに、一斉に池田屋へ入り込む。
刀と刀がぶつかる音、倒れる音、それぞれの音が入り交じるこの戦況の中、俺は懸命に闘う。
どれぐらいの時間が経ったのか、二階から凄まじい音が聞こえてきた。
「な、なんだ!?」
「山中君!すまないが、二階へ行ってみてくれないか!総司と平助が心配だ!」
「分かりました!」
「気を付けろよ、潤!」
「分かってます!」
俺は、急いで二階へ上がる。
「沖田さん、平助!どこだ!」
「がはっ!?」
「!?」
近くの部屋から聞こえてきた声。あれは、沖田さんの…!
急いで開いていた襖を抜けると、そこには
「沖田さん!」
「潤…ちゃん。」
血を吐いて跪いている沖田さんと。
「ほぉ…。貴様、新選組に居たのか。」
風間千景が居た。