第6章 番外編 たまには
「沖田さん、ありました?」
「無いなぁ…土方さんどこ置いたんだろ。僕が毎回持ち出すから場所変えたのかなぁ。」
そりゃ、毎回持ち出せば変えますわな。
「…沖田さん、山中さん、副長の部屋で何をやっているのですか。」
あ、やべ。山崎君に見っかった。
「何って、土方さんの句集探しだけど?」
「無許可で何をしているのですか…。それに、山中さん。貴女は女性なのですよ。このようなことは…。」
一応元の世界に戻れる手掛かりを探すのに監察方の協力も必要だろうと、山崎君達にも事情は説明してあるみたい。
「え、えへへ…ごめんなさい、山崎君。」
「謝るくらいでしたら最初から忍び込まないでください。副長に怒られるのは目に見えているのですから。」
「はいはい、ごめんね山崎君。じゃあ行こっか。」
「あ、はい。」
後ろで山崎君が適当に返事しないでください!って怒ってる。まぁ、二人って仲良くないもんなぁ…。
「で、どうするんですか、句集?」
「ここにあるけど?」
あったんかい。
「いつの間に。どこにありました?」
「えー、山崎君がなんか説教してるときに見つけたー。」
人の話聞けよΣ\(゚Д゚ )
「はぁ…。まぁ、いいです。それで、どうするんですか?」
「決まってるじゃない、読み聞かせするんだよ。」
「八木邸の子にですか?」
すると、沖田さんは、一間置いて
「…梅の花ー、一輪咲いてもうめはうめー!」
「くはっ(笑)」
まさかのここで大発表(笑)
「あ、じゃあ俺も言いたいです!」
「はい、どれでも大きな声で言っちゃいなよ。面白いから。」
「えーっと…。願うことー、あるかも知らす火取虫ー!」
あ、やば。めっちゃおもろい。
「いいよ、君。最高!(笑)」
それから、面白い俳句見つけては音読し、最終的には山崎君に没収された。
ちっ、面白いのに。
土方さん今居なくて良かったー。