第20章 それぞれの信じる道
それから数日経ったある夜。
なかなか寝付けない俺は、何度も何度も寝返りを打つ。
すると廊下に聞き慣れた足音…。
それは、俺の部屋の前でピタリと止まった。
「潤、起きてっか?」
俺は、起き上がってから襖を開ける。
「左之さん…。」
「ちょいと広間まで来てくんねぇか?本当は千鶴に客なんだが…。お前にも会いたいらしくてよ。」
「…俺…に?」
広間へと入った俺を待っていたのは…。
「…こんばんわ。こんな時間にごめんなさいね。単刀直入に言わせてもらうわ…。私、貴方達を迎えに来たの…千鶴ちゃん。そして…山中潤さん。」
「…え、俺…?」
俺と千鶴ちゃんを迎えに来たと言う…千と名乗る少女だった。