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【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】

第21章 ありえない放課後。





あれってもしかして、タオルなんじゃ……。



「ねぇ」


『っ!?』



冷たい、これは誰の声?いや、そんなの分かりきってる。



『ルカちゃん…?』



そこには、いつもの可愛い顔をしたルカちゃんはいなかった。何の表情もない、人形みたいに冷たい少女。


その顔に少し、懐かしさを覚えた。



「皆で昨日、楽しく遊んだんだってね」


『え?
あ……う、ん…』


「あはは!楽しかった?」


『ルカちゃん?
どうしたの?』



ルカちゃんはただ笑い続ける。何これ。ルカちゃんにただ恐怖を抱く。


そして、現在にいたる。


背中の痛みに耐えながらルカちゃんを見つめる。ルカちゃんは足を私の顔の横、つまり木に置き。



「別に誘わなかったのはいいや。
でも、あんた調子乗りすぎじゃない?
あんたみたいな平凡女が一緒にいるべき人達じゃないの。
一緒にいて恥ずかしくない?虚しくない?
せめてあたし位じゃないとねぇ」


『な、なに言って…』


「マネージャーだから関わるななんて言わない。
でも、近付きすぎたら容赦しないから」



ルカちゃんは木に置いていた足をゆっくり下ろしたかと思うと、その足を勢い良く私のお腹に蹴りあげた。


あまりの痛さに手で押さえ込み悶える。



「ふふっ。あははっ。
痛いよね?かわいそうに。
これが嫌ならあたしの言う事を聞くこと。
じゃあね花奈ちゃん。
皆にはあたしから上手く言っておいてあげる。
だから今日はもう帰って」


『ルカ……ちゃ…』



私の言葉はすでにルカちゃんには届かなかった。深く息を吐き、痛さを和らげる。


ルカちゃん、お腹けったのわざとだ。見えない所を攻撃した。ルカちゃんだってバカじゃない。ちゃんと考えているんだ。


さっきの、何だったんだろ。何もかもが夢ならいいのに。昨日まで楽しかった。それが今では……。









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