【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】
第9章 私たちは中学生。
ようし。私の出番はこれで終わり。
あとは見てるだけで大丈夫。
さっきクラス種目おわったからね。
次は精市の出るリレー。
精市はアンカー。
責任重大な所だ。
『精市、頑張ってね』
「ああ、勝ってくるよ」
『清々しいほどの勝利宣言だね。
蓮二と弦くんもいるし、1位は無理じゃない?』
「そうかな?
俺はいけると思うんだけど…」
精市はハチマキを結び直すと、指定された場所に行った。
さてさて、テニス部三強のリレー対決はどうなるんだろうか?
「あ、花奈ー!」
『ん?ああ!
ブンちゃーん!』
「1人か?
幸村くんと一緒にいると思ってたぜ」
『まあさっきまではそうだったんだけどさ~。
精市はリレーのアンカーだから』
「マジか…。
柳くんと真田くんもだろぃ?
俺リレーじゃなくて良かったぜー」
それは思うよ。
あの3人とは走りたくないよね。
なんか、色んな意味で…。
ブンちゃんが私の隣に座る。
ブンちゃんの赤髪って地毛かな?
風に揺れてさらさら動いてるのがすごい綺麗。
思わず見入ってしまう。
「……花奈、お前大丈夫か?」
『え?なにが?』
「いや、なんか顔赤いからよ。
気分わるいか?」
それはきっと、ブンちゃんの髪が綺麗すぎるからだよ。
それか、今現在みつめられているから。
とまあ冗談はここまでにして。
んー…。確かにそう言われれば、頭痛いし、吐き気するし、くらくらしますね。
うん!
これ熱中症じゃないかな?
『悪い…』
「保健室いくか?
歩けっか?」
『無理っぽい…』
「はぁ…。
ったく、そうなる前に気付けよな」
『ほあ!?
ちょぁ!ブンちゃん!?』
「静かにしとけって。
保健室つれてってやるから、な?」
横抱きされながら優しく頭を撫でられる。
さすが男の子。
重い私を簡単に運んでいる。
私はブンちゃんに惚れた。