第3章 夢と現実の間で見たもの/加州清光【★】
本丸の夜は 水を打った様に静か
昼間とはまるで別の世界
庭にある池に三日月が浮かんでいて 眺めていると時を忘れる。
風がそよぐと さらり と髪がなびいた
その風の中に 彼の声を聞いた気がしその方向を向く
「様…こんな時間になにしてんのさ」
やはり彼だった。
「…ごめんね 眠れなくて…」
そう言うと彼は私の隣に座り私の手に自分の手を重ねた
「……加州…君?」
驚いて彼の方を向こうとすると 何故か彼は私を組み敷いていた 驚いて言葉が出ない私に対し
「…ねぇ様…眠れないならさ…」
彼は私の耳元まで顔を近づけ
「俺といいことしよ…?」
そう囁いたが 開幕の合図。