第13章 はじまる
仁王側
昇降口についてアイツの靴箱を確認した
仁「靴があるぜよ......」
切「じゃあ先輩!学校に来ているんスかっ!!」
丸「いよっしゃ!」
ジャ「だが、何処にいるんだ?」
幸「もう帰ったかと思ったんだけどな」
柳「精市、何処かで会ったのか?」
幸「まあね、屋上からスカイダイビングしてたしね」
柳生「では、仁王君が慌てて下を見ていたのは」
仁「そうじゃき」
真「ならば、なぜ俺達には見えないのだ?」
切「結界とかッスか?」
丸「でも、仕事以外では使わねーんだろぃ?」
ジャ「さあ?」
わからん事ばかりじゃな
考えておると後ろから誰かが俺の肩に乗ってきよった
肩から腕が伸びており、俺の胸の前でしっかりと互いを掴む
そして耳元で
『お久しぶりです、仁王君』
懐かしい声が聞こえた
仁「幸村」
幸「うん、いるよ。僕には見える」
俺はソイツの腕を掴んで強引に解いた
後ろを振り返ると
ソイツは笑顔で宙に浮いて居った
幸村以外のヤツは皆わからんようじゃ
ソイツはそれを見て楽しんで笑っているようにも見えた
『元気にしていましたか?』
仁「それよりも、皆が見えんと困っちょる」
『わかりました』
そう言うと床に足を下ろして何かを解いた
ソイツはこれまでにないようなスッキリとした笑顔を見せた
久しぶりに見たその笑顔で、俺の心拍数は跳ね上がった
『皆さん、お久しぶりです。元気にしていましたか?』
全「「!!」」
皆は驚いて声も出んようじゃ
幸「今まで何をしていたのかな?」
『少しだけ用事を片づけて居たら遅れました』
仁「遅れたのレベルじゃないぜよ」
俺はソイツを優しく腕の中に招待した
ソイツは少しためらったものの、俺に近寄ってきた
仁「もう離さん。お前さんを今度こそ守って見せるぜよ。氷月」
強く腕の中に閉じ込めた
『だから、それは僕の仕事ですって』
小さく呟いた
幸「いい所邪魔するけど、白川さん(黒笑)」
ゾワッとしたので離して振り返ると
幸村の笑顔が黒いのであった
仁「まあ、頑張れ」
『アハハ......そうなるのが嫌だったから逃げてたのに』
幸「いつもの喫茶店に行こうか、皆時間は大丈夫だよね」
皆の時間はスキスキのようじゃ
これだけは守ってやれんな
幸村相手には