第13章 はじまる
白川側
?「......しゃい!」
誰だ?
?「...起きんしゃい!」
体が揺すられている
?「氷月っ!!」
重い瞼を持ち上げて目の前を見た
仁「氷月っ!!」
『に、おう、君?』
仁「!」
よく見ると皆が居た
『どうして、此処に?』
仁「すまん!守るって言ったばかりなのに!俺は!」
『守るのは、僕の仕事、ですから』
精一杯笑って見せた
幸「仁王、話は後にしよう。バスケ部が帰ってくる」
仁「わかったぜよ」
僕の力のない体を仁王君は簡単に背負った
柳生「おっと!」
仁王君に背負わされたのはいいが、自分でしがみつく事も出来ず落ちそうになった所を柳生君が補助した
自分の心臓の鼓動は早いなんてものじゃない
バクバクいっている
仁王側
体育館倉庫を開けると暗くてよく見えんかった
俺達は恐る恐る中に入った
柳「白川!」
参謀が急に大きな声を出した
柳「携帯は繋がっている。仁王の携帯か声が取れれば近くに居る事が分かるだろう」
ジャ「なるほど」
俺達は必死に叫んだ
この体育館倉庫
意外と中が広いのじゃ
物もあるから声が少しだけ聞き取りにくい
幸「氷月!」
皆は1人1人叫んで確かめる
切「先輩っ!」
ジャ「白川!」
丸「白川!」
仁「氷月!」
真「白川っ!」
携帯から少しだけ音がした
柳「弦一郎の声だと大きすぎてわからなくなるな」
真「ウム、すまん」
大分奥に進んだ時
幸「白川!」
携帯から声が聞こえた
柳生「近いですね!」
細かく探しておると
切「先輩!」
赤也が見つけたようじゃ
仁「氷月!」
体はぐったりとしており、息は不規則にとられておる
仁「起きんしゃい!」
俺は近くにしゃがんで抱き寄せた
体がこの前の比じゃないくらいに熱い
繁殖ってヤツなのか!
仁「起きんしゃい!」
少しだけ体を揺すってみる
仁「氷月っ!!」
顔を覗いておると瞼が開いた
仁「氷月っ!!」
『に、おう、君?』
仁「!」
返事が返ってきた
『どうして、此処に?』
仁「すまん!守るって言ったばかりなのに!俺は!」
『守るのは、僕の仕事、ですから』