イケメン王宮◆BL・悪魔のお仕置きと狂った果実【R18】
第26章 狂った果実~ユーリorゼノ編~
(お前は、いつも素直だな)
「でも、罰よりも………」
ユーリは、悲しそうに俯いた。
『なんだ?』
「……俺は、ゼノ様の側近なのに…
ゼノ様のこと、
なんでも分かってなくちゃいけないのに…」
『………?』
「ゼノがどうして怒っていらっしゃるのか、
分からなくて
悲しくて、悔しくて……
俺は、ゼノ様の側近でいる資格が、
ありません…」
(そんな事で泣いていたのか)
ゼノは、胸がきゅんと、締め付けられる。
『俺は、お前が側近でなければ困るのだが』
「っ……」
ユーリの瞳からまた一筋、
涙がこぼれた。
「ごめんなさい、ゼノ様…
ゼノ様を分かって差し上げられなくて…
不甲斐ない俺に教えて下さい。
どうして、ゼノ様は怒っておられるのですか?
俺は、何をしてしまったんですか?」
ユーリは、肩越しにゼノを見上げた。