第25章 狂った果実～ユーリorゼノorアルバート編～

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

夜。

シュタイン城内、地下室。




壁に掛けられたいくつもの蝋燭が

暗い部屋を、ゆらゆらと照らしている。




「ゼノ様っ、お願いです、

許して、下さ、

こんな屈辱っ……」




ユーリは、

ゼノの前に立たされていた。




ソファーに腰を下ろすゼノは

優雅な指先で

ハーブティーのカップを持ち上げ

品よく口を付けている。




深夜だというのに

未だ書類に目を通している真摯な様は

まさに、一国の王に相応しい。




ゼノは

ユーリに全く興味がないかのように

黙々と執務をこなしていく。




ユーリが、

全裸なのにも関わらず。