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【合同企画】相合い傘

第1章 ノクターン


クラスも分からない女のコからの借り物。
どうやって情報を集めようか?
オレは迷った。
“”と言う名前を手掛かりに、クラスの人達に聞けば分かるかもしれない。
だけど、迂闊に聞くコトも出来ない。
男に聞けば、良からぬウワサをされそうだし。
女のコに聞けば、嫉妬や妬みの対象になりかねない。

(モテるって罪っスね…。)

廊下を歩きながら一人視線を彷徨わせていると、向こうに見覚えのある後姿を発見した。

「チョット!」

オレの声に反応する気配はない。

「っち!!」

その後姿に追い付いたオレは手を掴んだ。
振り返ったっちの目が大きく見開いた。
だけど、オレの姿を確認するとまた不機嫌そうな表情になった。

「っちって何。」
「え? あぁ、オレ尊敬する相手には“〜っち”って付けるんスよ。」
「私、尊敬される程関わってないし。」

こうしてる間にも、他の女のコからの視線が痛い程オレ達に注がれている。

「ついてきてほしいっス。」

この状況、なんかヤバい気がしてオレはっちの手を掴んで場所を変えようとした。
引っ張ったつもりのオレが逆に引っ張られた。
と言うより、思わぬ抵抗に進めなかった。


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