第3章 Candy Rain
来てくれるかどうかの確証も無いままに図書室の最奥でを待つ。
二人で帰った時に話した本の話。
のご所望しとる本を見つけたはつい最近や。
この場所にはそれがある。
昼休みが始まる前に、ある程度の場所はメールをした。
暫く待っとると、向こうから愛しい人物が姿を現した。
の姿を見るだけで、鼓動が早くなる。
ワシの目の前にが来ると、その身体を引き寄せた。
「ちょ…翔一…。」
「ココは最奥や。誰からも見えへん。」
更にギュっと抱き締めると、の手が背中へ回された。
「、昨日はすまんかった。」
ワシの言葉に腕の中のが首を振る。
「分かってた。翔一を不安にさせることも。それに…このまま二人と付き合うのは
あまりにも不誠実過ぎるって思ってる。」
の言葉に弾かれたようにワシは小さな肩を掴んで顔を覗き込んだ。
「なぁ?やっぱりもうこれ以上、黙っとるのは無理や。アイツにもきちんと話せんと。」
ワシの言葉に彼女は目を伏せて何かを決心した様に静かに頷いた。
「話せば分かってくれる。直ぐには無理かもしれんけど、アイツが納得するまで何度でも話するし。
せやから…そない不安そうな顔はせんどいてほしいわ。」
「責任を翔一だけに押し付けるのはズルい。だから…私も。」
そう紡いだ彼女の唇に人差し指を立てた。
「シーっ。こう言う事は男のワシが責任を取る。
お前はワシに甘えとったらええねん。
どない責められても、ワシが守ったる…な?
せやからは笑ってくれ。」
図書室の最奥で、ワシは微笑むにそっとキスをした。