第5章 肝試しと気持ち
「うぅ…」
「大丈夫!?多分風で葉が揺れたんだと思うけど…」
「びっくりしたー…大丈夫か?」
二人が心配して掛けてくれた声に頷く。でもまだ怖くて由布院先輩にきつく抱き付いていた。
「本当に大丈夫?…煙ちゃんこのままおぶってく?」
「あー…そうだな、渚それでもいいか?」
「そ、そんな!大丈夫です…」
「いや足震えてるし、煙ちゃんよろしく」
「りょーかい」
私は軽々と持ち上げられ、背中に乗る。安全な事を確認すると立ち上がり歩き出した。鬼怒川先輩は隣に居てくれている。
「それにしても渚軽いな。熱史も軽いし…二人共ちゃんと食ってるか?」
「食べてるって…」
それからゴールの木に着くと、皆が笑顔で待っていてくれていた。