第5章 肝試しと気持ち
「最後は俺たちだな」
「行こっか。渚ってこういうの苦手?震えてるけど…」
「は、はい…じ、実は…」
お化け屋敷が大の苦手な私は、手足がこれでもかと震えていた。
「平気?肩支えよっか?」
「俺が先に歩くから」
「ありがとうございます…お願いします」
ロボットみたいにカクカクなお辞儀をして、私たちは歩き始めた。
――ヒュー
「きゃっ!」
「大丈夫、風だよ」
――コトッコトッ
「きゃああっ!」
「悪い、石蹴っちゃって」
――ガサガサッ
「きゃあああ!」
「渚!?」
「うおっ!?」
私は怖くなり、前にいた由布院先輩に後ろから抱き付いてしまった。