第4章 海と合宿と性別
あれから皆で色々遊んでいると、時間はあっという間に経った。
「そろそろ帰ろっか?」
「そうですね…夕食の時間もありますし」
「えー、もうっすか…」
文句を言いながらついてくる有基君。何だか小さい子供の様にも見えてしまう。
「先に風呂にしよーぜ。疲れたし」
「いいっすね!…ぁ」
は近づいて来て、出来るだけ小さな声で言う。
「何とか理由付けて俺等が先に風呂に入るから、その後入って」
「はい!」
銭湯は近くにあり、「玉黒湯」と書いてあった。
「パクリっすか?」
「手抜きですね」
等と言いながら中に入っていく。私はタイミングを見計らい陰に隠れる。
「ん?渚は?」
「後から入るって」
「ふーん」
皆が戻って来ないのを確認し、私は女湯へ入った。