第4章 海と合宿と性別
「団欒ビーチ…団欒ビーチ…家族団欒ビーチ…」
「見つかりました?鬼怒川先ぱ…あっ!」
蔵王先輩が大きな声を出して走って行く。その先には高校生位の女性三人組がいた。
「ちょっといいかな?」
「なんですかー?」
「家族団欒ビーチの場所、知ってるかな」
さっきの部活メンバーと居た時より笑顔で、少し格好つけて言っている蔵王先輩。
「聞いたことは」
「知ってる?リカ」
「うん。知ってますけど…」
「本当!?教えてくれる?君たち可愛いから、連れてって?」
すると女性達の顔が赤くなっていく。流石口説きの蔵王先輩と言ったところか。
「は、はいっ!」
「ですってー、行きましょう先輩~」
「ありがとう。立はすごいね、流石。」
皆が女性と蔵王先輩の後ろに付いていく。蔵王先輩は女性と話したり、防衛部メンバーと話したり。
「なんであの笑顔で落ちるんだか」
「由布院先輩には分かんないんですよ~。ね、リカちゃん」
私にはなんとなく、落ちてしまう理由が分かった気がした。