第4章 海と合宿と性別
電車の中は向かい合わせの椅子になっていて、片側に由布院先輩、鬼怒川先輩、有基君、ウォンバット(俵山先生)が座り、もう片側には鳴子先輩、蔵王先輩、そして私が座った。
「あちぃー、熱史扇いでー」
「はいはい…どう?」
「んーいい」
改めて見ると二人が夫婦という噂があながち間違ってないと思う。
「そういえばさー、硫黄と渚って似てるよな」
「なんですか急に」
「なんでですか?」
「だって一人称が"私"だろ?」
女性が言う事が多いために不思議に思う人もいるだろう。
「「そうですね」」
「すげーハモった!」
「わしゃわしゃ~」
「ぷひょっ!やめっ…」
「有基静かにして。迷惑」
「はいっす…」
そんなこんなで目的の駅に着き、海に向かった。