第8章 【テニスの王子様】 白石蔵ノ介
白石「待ってや、優奈。」
蔵に右手を掴まれたためなのだけれど。
「な、何っ?!」
白石「なぁ、教えてくれへん? 優奈の誕生日。」
いや、これ今教えることじゃない……よね?
白石「優奈からプレゼントもろたわけやし、俺も何かお返ししたいんや。」
「そんな……お返しなんていいよ。私の自己満足だし……」
同じ4月生まれの蔵に、勝手に親近感わいちゃったのは私で、お祝いされるの少ないって言葉に、勝手に共感しちゃったからで……
白石「ダメや。教えてくれるまで、この手放さへんよ?」
……それは……困る。
「4月……17日……」
白石「え?」
「も、もういいよね。私もう行くから!」
そう言って、走り出そうとした私は……またも走り出すことはできなかった。蔵の手に、力が加わって、引き寄せられてしまったから。