第8章 【テニスの王子様】 白石蔵ノ介
翌日、4月14日。今日の私は早起き。何故なら、朝練に行く蔵を待ち伏せるため。待ち伏せるって言っても、テニス部前の門でね。
私は、“掴みの正門”のシステムが苦手で、誰も学校にいない時間に、登校するのが常だった。だから、始業式以降は、ずっと早かったんだけど、今日はそれよりも更に早く。だって、蔵がいつくるか分からないんだもん。
ということで、6時半から待っているわけだけど、意外と来ないもんだなぁ。
それから時間は経って、今は7時前。
やめとこうかな……そんな気になってきてしまった頃、近づいてくる足音が聞こえた。
もしかして……と思ってその方向を見ると
白石「優奈……?」
「蔵、おはよう」
驚いている、ウェア姿の蔵。ウェアが似合ってて……ちょっとかっこいいかも、って思っちゃった。
白石「どないしたん、こんな朝早くから」
驚くよね、待ち伏せされてたわけだし。
「蔵、あのね。お誕生日おめでとう」
白石「え……」
あ、蔵の唖然とした顔、レアかも。