第8章 【テニスの王子様】 白石蔵ノ介
え……?
「ち、ちょっと! なんでそこで笑うのよ?!」
白石「す、すまん……つい……っ! 自分が、そないにムキになってるさかい、おかしなってもうて……っククッ!」
…………
白石「ククッ……すまんて、堪忍やで、優奈。そんな怖い顔せんといてや?」
そう言って、私の頭に手を乗せる蔵。普通の子なら赤面しちゃうのかもしれないけど、ここ数日でされ慣れてしまった。
ことあるごとに、髪なでてくるんだもん。
白石「で、さっき驚いてたんは、結局なんやったん?」
「え……と……く、蔵が、4月生まれだったから……」
白石「4月生まれ? それで驚いてたんか?」
私も、4月生まれなの。
「……いや、うん。そうなんだけど、特に意味はないの。お誕生日明日なんて、早いんだね。」
白石「せやなぁ……けど、あんまりお祝いしてもらえんで?」
やっぱり、そうなんだ……
「そっか……」
なら、私がお祝いしてもいいかな?
白石「なぁ、優奈。優奈の誕生日て、いつなん?」
「私……? 私は……」
4月17日。
「内緒」
白石「な、俺の知っとるくせに教えてくれへんのかいな」
「フフッ、内緒だよ。ほら、早く終わらせよ? あと少しなんだから」
白石「……せやな」
心なしか、蔵が寂しそうに笑った気がした。
私の気のせい……だよね?