第8章 【テニスの王子様】 白石蔵ノ介
白石「西嶋さん、せっかく縁あって隣なんやし、仲良うしたいんやけど……そないに畏まらんといて?」
「いや、別に畏まってるわけじゃ……」
初対面なんだし、普通じゃない?
白石「なら、白石さんなんて呼ばんといてや。」
「……それなら、なんと呼べば?」
白石「せやなぁ……俺のオススメは蔵リンやけど……」
「……」
白石「……冗談や。蔵、ならどうや?」
「それなら……うん。いいかな。」
蔵リンはさすがに……ね。無理です。
白石「ほんなら決まりやな。」
爽やかな笑顔を振りまいて、微笑みかける、し……蔵。
「あの……私ばかりじゃ、なんか変だし、私のことも、好きに呼んで」
白石「ええんか? なら、優奈、て呼ばせてもろてもええか?」
「うん、もちろん。改めてよろしく、蔵」
白石「おん。よろしゅうな、優奈!」
新クラス早々、隣にイケメンが来たということだけでもだいぶすごいことな気がするけど、それだけにとどまらず、名前呼びまでするなんて……ね。
今年の春も、新しいことが起こる予感。
やっぱり、春はいいな。