第8章 【テニスの王子様】 白石蔵ノ介
4月8日、始業式。私は3年2組になった。3年2組といえば、確か学年中の女子たちが羨むクラス……。その理由は……
白石「おはよーさん。はじめましてやんな? 俺、白石蔵ノ介、よろしゅうな!」
突然隣から聞こえた声……は、驚くほど爽やかで、その声が聞こえたであろうクラス中の女の子たちが甲高い悲鳴をあげる。
あー、うるさい。
白石「自分、名前教えてくれへん?」
クラス中の叫び声なんて気にも留めないのか、素知らぬ顔して彼は続けた。
「西嶋優奈です。はじめまして、白石さん。」
白石「西嶋さんか……標準語なんやな。ひょっとして、昨年転校してきたっていう?」
「えぇ、そうです。よろしくお願いします。」
そう、私は標準語を話す、この学校では数少ない人間の1人。彼の言う通り、昨年四天宝寺中に転校してきた。だから、学校で人気だと噂の白石さんのことも、名前以外ほとんど知らないし、興味はない。