第6章 【 頭文字D】 高橋涼介
涼介side
2人で並んで優奈の車に戻り、早急にエンジンをかけた。
何時間も経ったわけではないはずなのに、車内はやはり寒く、白く色づいた吐息が目立つ。
「それにしても、本当に、会えて良かったです。今年は全然会えないと思っていましたから。」
涼介「俺も、会えて嬉しい。連絡していなかったことについての話は、後でしっかりするから、許してくれないか。長く会えなかったこと。」
「許すも何も……私は別に怒ってなんかいませんよ? 寧ろ喜んでいます‼︎ だって、サンタさんからのクリスマスプレゼントみたいじゃないですか‼︎」
すごく嬉しい。
そう言って笑う優奈の言葉に、どれだけ救われたか。
涼介「ありがとう。確かに、クリスマスプレゼントみたいだな。」
「涼介さん……メリークリスマス。」
涼介「メリークリスマス、優奈。」