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短編夢

第1章 【FAIRY TAIL 】 グレイ


依頼主のいる、スケートリンクにたどり着いた。
規模の大きさに少しばかり驚きながらも、グレイを振り返る。

「着いたね。じゃあ、行こっか」
「あぁ」

妖精の尻尾を名乗ると、ふたり並んで待たされ、しばらくすると、プロデューサーを名乗る中年の男性が現れた。

「よく来てくれました、妖精の尻尾のお二方! さぁさ、こちらへどうぞ!」

促されるがままに、個室へ入ると、そこには綺麗な女性の方がいた。
プロデューサーさんは、彼女に並んで改めて口を開いた。

「私は、この企画のプロデューサーをしております、ツェリヒ・フローランと申します。で、こっちが……」
「会場責任者のダリア・フローランです」
「実は私たち夫婦なんですよ! で、この企画も、私たちだからこそ思いついたと言いますか、」
「彼は放っておいて構いませんので本題に入りますね。ここのスケートリンクでは、毎週土曜日にアイススケートショーを行っていますが、一昨日、ペアの2人から休みの連絡が入ったんです。なんだか外せない用事があるそうで。それで、今回の依頼を出させていただきました」
「なるほど、そういうことか」

ふにゃりと顔を綻ばせながら夫婦です、と紹介してくれたツェリヒさんを遮るように、ダリアさんが現状を説明してくれた。

「具体的には、どんなことをするんですか?」
「彼らが行っていたのは、愛し合う男女のワンシーン。私たちがおふたりに求めるのも、それです。ここの名物なので」
「あ、愛し合うって……っ」
「くっそ……すげぇ恥ずかしいパターンかよ……」
「それでは、これが台本です。本番が明日なのは本当に申し訳ないのですが、よろしくお願いいたします」
「うわぁ……本当! リフトもあるんだね……」

「とにかく! 練習しようぜ。助っ人で来て、失敗して終わりは、それこそ恥ずかしいからよ」
「そうだね! 行こ、グレイ!」
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