第1章 【FAIRY TAIL 】 グレイ
3人を見送ったあと、バーカウンターでなんとなしにカフェラテを飲んでいたけれど、その暖かさが、ぬるいと感じる頃には気持ちも少し、落ち着いていた。
「私も仕事探さなくちゃな……」
「あらシャロン、おはよう! 仕事探してるの?」
「あ、ミラさん、おはようございます! そうなんですよね……何か良いお仕事ありますか?」
「それなら、シャロンにぴったりな仕事が一つ、あるわよ!」
「さすがミラさん! じゃあ、それお願いします!」
「えぇ。でも、ちょっと待ってね。あと少しで来るはずだから!」
茶目っ気たっぷりにウインクしてみせたミラさんの笑顔に、不思議な気持ちになる。
「え、来るって誰が……っ!」
「お、シャロンじゃねぇか」
「お、おはよう、グレイっ!」
急に現れた想い人に、自然と背中が伸びた。緊張、する……。