第1章 【FAIRY TAIL 】 グレイ
妖精の尻尾のギルド内は、朝から騒がしい。
いつも通りの、私たちの酒場だ。
「おはよう!」
「あ、シャロンおはよう! もう、聞いてよー! 昨日の仕事、ナツがねー……」
親友のルーシィから、愚痴という名の惚気が聞こえてくる。
ルーシィ、なんだかんだでいつも楽しそうだ。
正直、とても羨ましい。私は、ふたりで仕事なんて、なかなか行かないし。
「あ、シャロンおはよう! ねぇねぇ、ルーシィ借りていい? 今日ね、ナツとおいらと3人で仕事行く約束なんだぁ!」
「ハ、ハッピー?! い、いやよ、行かないわよ! アンタたちと行くと、報酬減らされちゃうのよーっ」
「よう、シャロン、おはよ! おーい、ルーシィ、仕事行くぞー!」
「ナツー、ルーシィ行かないってー」
「なんでだよ? ま、別にいいけど。お前今月の家賃払えんのかよ?」
「う……それは……い、行くわよ、仕事……うぅ……」
「よっし! じゃあ、早く行こうぜ! シャロン、またな!」
「じゃーねー」
「行ってくるね……シャロン……」
「いってらっしゃい! 3人とも気をつけてね!」
本当に、ルーシィとナツは仲が良い。
一緒に仕事に行くなんて、本当に羨ましい。私も、グレイと一緒に仕事……行きたい、な……なんて。