第3章 【テニスの王子様】 青学
調理室に着くと、そこには乾先輩もいた。
…いつの間に。
乾「あぁ、優奈。」
「……」
見てはいけないものがある気がする。
っていうか、なんで…
「なんで乾汁があるんですか」
そう。メニューにあるはずのない、乾汁が、そこにはあった。
乾「やはり、夏場は水分補給も大切だからな。ついでに効率良く栄養補給も出来るもの…ということで、メニューに足そうと思うんだが、」
「却下です。」
即答。当然だけど。
だって、アンティーク風のオシャレなお店で、執事喫茶で、なんで、乾特製野菜汁を飲まなきゃいけないの。
英二「やっぱそうだよな! しかも優奈、これ見てよ!」
「……」
なんで…なんで赤いの…パンケーキが。
いや、ベリーソースとかがかかってるわけじゃなくて。
パンケーキそのものが、赤いのよ。
「あの、このパンケーキは…」
予想はつくけど。
不二「あぁ、それは僕の提案。激辛パンケーキ。」
「……」
メニュー担当のメンバー間違えたかな…うん。
いや、英二先輩と大石先輩は、いいとして。
不二先輩も流石にないと思っていたのに。
乾先輩は…論外だ。
大石「いや、不二がどうしても…と…」
大石先輩…このメンバーでごめんなさい。
っていうか、乾先輩はなんでここに来た…?
まぁ、それは置いておいて。
「あの…私が提案したメニューはどうなりました?」
一応事前に提案はしてある。
もちろん無難なもの。
・紅茶
・珈琲
・ハーブティー
・100%ジュース
・サンドイッチ
・フレンチトースト
・パンケーキ
・ワッフル
・ドーナツ
・チュロス
そう。どこにも“乾汁”とか、“激辛パンケーキ”とかの、罰ゲーム食品は入っていないはず。