第9章 特別編 1
「お、やぁっと来よったか!」
謙也くんが納得したような声を出す。
え、やっと? 何が?
「おし! 練習試合は終了だ!」
パチンッ、と、小気味よい音が鳴る。もちろん、音の主は跡部くんなわけで。
ていうか。
「ちょっと待って、跡部くん! まだ、試合終わってないよ!」
寧ろいちばん大事なところじゃない! ここで中断って、何考えてるの?!
「アーン? まさかお前、知らないで来たのか?」
え……?
「ちょ、ちょっとタンマ! ストップ!! 跡部、俺らギリギリまで言わないつもりだったんだぞ!」
言わないつもり……?
「はぁ……英二、もう手遅れだと思うよ」
「あの、何の話……?」
慌てたように跡部くんのことを制する英二くんと、諦めたようにため息を吐く不二くん。周りを見渡すと、青学メンバーは、呆れたような、何とも言えないような顔をしていた。
私1人、話題についていけなくて、頭の中疑問だらけで、訳が分からない。蚊帳の外状態。