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短編夢

第9章 特別編 1


「これであらかた終わったかな」

試合前準備は終わったので、部室をあとにし、コートに向かう。既に試合は始まっていた。

「乾くん、引退してまで記録取ってるの?」

「あぁ、西嶋か。そうだな、常に新しいデータを書き換えておかなければ。」

「そっか。あ、それ練習試合の記録よね?代わるよ」

「あぁ、助かるよ」

もう仕事も、だいぶ慣れたなぁ……臨時のくせに。ていうかもう卒業生のくせに。思わず苦笑が漏れる。

乾くんから記録ボードを受け取り、試合の結果を記入していく。そうしてひたすらマネージャー業をこなし、気がつけば本日最後の試合、四天宝寺S1財前光vs立海S1切原赤也と青学S1海堂薫vs氷帝S1日吉若という、新部長対戦が始まろうとしていた。周りはしんと静まりかえり、OBのみんなも黙ってコートに視線を向けている。言うまでもなく、私もそのうちの1人。

と、その時。

「順調にやっておるな」

「俺らおらんでも試合進んどるみたいやし、感心やな〜」

竜崎先生と渡辺先生(オサムちゃん)の声が聞こえたので振り向くと、そこにはスーパーの袋と思しき白い袋をたくさん下げた先生方がいた。あれ、おかしいな。……どこか行っていたの……? 練習試合見てなかったってこと……?
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