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短編夢

第9章 特別編 1


「今日は、午前で終わるからさ、ダメかにゃ? 午前だけなのに、今日、学校数多いんだって。記録の人出が足んなくなりそうだから……」

なんで学校数多いのに午前中だけなんだろう、という疑問が生じたのだけれど、そこはあえて気にせず、そうなんだ、と相槌を打つ。電話の向こうで、英二、そろそろ戻らないと、という彼の元ペア、大石くんの声が聞こえる。

あ、大石くんも今日来てるんだ。彼、外部進学者だけど、後輩思いなところは変わらないよね、なんて思う。

「やっぱ、ダメだよな。ごめん、無理言って。じゃあ……」

「いいよ、やる」

「えっ?」

「すぐ行くから、手塚くん……じゃなかった、海堂くんと竜崎先生に、そう伝えといて!」

そう言って、英二くんの答えも聞かないまま、私は通話を切った。そして、急いでジャージに着替え、髪を結ぶ。マネージャーだからって侮って、スカートなんか着てると、動けないからね。そして10分ほどで準備を終え、水筒とタオル、必要最低限のものだけショルダーバッグに詰め、家を出た。そしてすぐに、学校に向かう。

家から学校までは、25分くらい。遠くなくてよかった、なんて思いながら、電車の中で今日の仕事を考える。

いくら正規のマネージャーじゃないとは言っても、引き受けたからには、仕事はきちんとこなす。

そういえば、今日来てる学校の数と名前聞くの忘れたな、って思い、甘かったと反省。何校来てるかによっても、仕事は変わってくるし。でも、過ぎたことは仕方ないから、できるだけやるべきことを考えながら向かう。そうこうしてるうちに、青春台駅に着き、そこから学校へ走る。さっきの電話で、すでに試合前の練習が始まってるのは分かったから、できる限り急がないと。
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