第4章 金平糖分の願い……沖田 総司
沖田
『あの子は……どうなるの?僕の代わりに……消えたりしないよね?』
しかし、小さなお兄さんは返事の代わりに……一滴、涙を溢した。
沖田
『……僕の身代わり?』
?
『それは違う。元々の運命だ。それに、私たち神は……信じる者がいなくなれば、消えてしまうようになっている。』
沖田
『僕が……いなくなったから?』
?
『君だけだったからな……あの小さな祠に気付いたのは。』
確かに、あの祠は荒んでいたように見えた。あまりにもの小さな祠……誰もが気付かない。
僕だけが気付いた、小さな小さな祠。
そうか……あの子は、僕が来るのを待っていたのか。
沖田
『お兄さんも消えてしまうの?』
?
『こんなに小さくなってしまったからな。私の役目もそろそろ終わる。だが、神として輪廻の輪に戻る。いつかどこかで、また……会えるかもしれんな。』
沖田
『そう……。僕は、あの子に何もしてあげられないの?』
?
『君が……君らしく人としての道を全うするだけで、あの子は救われる。』
そう言って、小さなお兄さんは笑った。
僕がそう多くはない金平糖を供えたから……あの子は、この僕に人としての未来をくれたんだ。
神として輪廻することが叶わなくなると言うのに……。