• テキストサイズ

【薄桜鬼】合同企画⭐短編小説

第4章 金平糖分の願い……沖田 総司


沖田
『あの子は……どうなるの?僕の代わりに……消えたりしないよね?』



しかし、小さなお兄さんは返事の代わりに……一滴、涙を溢した。



沖田
『……僕の身代わり?』




『それは違う。元々の運命だ。それに、私たち神は……信じる者がいなくなれば、消えてしまうようになっている。』



沖田
『僕が……いなくなったから?』




『君だけだったからな……あの小さな祠に気付いたのは。』



確かに、あの祠は荒んでいたように見えた。あまりにもの小さな祠……誰もが気付かない。



僕だけが気付いた、小さな小さな祠。



そうか……あの子は、僕が来るのを待っていたのか。



沖田
『お兄さんも消えてしまうの?』




『こんなに小さくなってしまったからな。私の役目もそろそろ終わる。だが、神として輪廻の輪に戻る。いつかどこかで、また……会えるかもしれんな。』



沖田
『そう……。僕は、あの子に何もしてあげられないの?』




『君が……君らしく人としての道を全うするだけで、あの子は救われる。』



そう言って、小さなお兄さんは笑った。



僕がそう多くはない金平糖を供えたから……あの子は、この僕に人としての未来をくれたんだ。



神として輪廻することが叶わなくなると言うのに……。
/ 48ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp