第4章 金平糖分の願い……沖田 総司
あれは本当にあった出来事?
あの子に確かめたい。その思いは、僕の中で強くなった。
翌日……
ううん、それから暫く……体調不良であの子は学校を休んだ。
唯一の接点。
そう、僕はあの祠へと足を運んでいた。
沖田
『ねぇ、小さなお兄さん。姿を見せてよ。』
?
『また、来たのか。』
沖田
『あの子は体調不良で、ずっと休んでいるんだ。』
?
『そうか。だから、最近見掛けないのか。』
沖田
『だから……あの子の代わりにお供え物だよ。』
僕は、サイトで探し回って買い求めた物を祠に置いた。
?
『……懐かしいな。』
沖田
『僕も。』
?
『思い出したのか?』
沖田
『まぁね……。そう……僕は、あの時も同じように……。でも、どうしてお兄さんが知っているの?』
小さなお兄さんは、空を見上げた。
?
『私は、あの子と同じ時に生まれた。言わば、兄妹みたいなもの。こんな風に供えられる度に、私に報告に来ていた。嬉しそうに……。』
僕が……嫌、新撰組の誰もが何度も訪れていた壬生寺。
その壬生寺の一角に存在していた、何よりも小さな小さな祠。
僕は、その祠によくお参りしていた。供え物として、金平糖を持って。