第4章 金平糖分の願い……沖田 総司
沖田
『こんにちは……って、山南先生は留守か。古文の授業だから、こっそりここでサボらせてもらおう。』
静かな保健室には、どうやら先客がいたようだ。
?
『……先生?』
仕切られたカーテンが開けば、気だるそうなあの女の子がいたんだ。
一瞬だけ大きく開いた瞳。でも……力なく何も言わずに、ベッドに横になった彼女。
しかし、小さな声が僕に投げ掛けられた。
?
『先生なら、来客みたいですよ。』
沖田
『えっ?あ、そう。』
再び、静けさを取り戻した保健室。僕は、傍にあった椅子に座った。
沖田
『具合……悪そうだね。』
?
『……自業自得だから。』
沖田
『自業自得?どういう意味?』
?
『私の大事な【半分】を分けてしまったから……自業自得。』
返事は返ってきたけれど、やはり、意味は分からなかった。
私の大事な【半分】って……何?
僕は興味からか、彼女のベッドの横に椅子を持っていき座った。
ビックリした顔をしたけど、取り分け拒否られることはなかったのでそのまま僕はその場にいることにした。
沖田
『顔色……悪いね。』
?
『人の顔に魅入るなんて、悪趣味ですよ。』
沖田
『襲ったりしないから、安心して眠っていいよ。』
?
『……ト…………すね。』
何かを呟いたようだったけど、全部を聞き取ることは出来なかった。
しかし、一つだけ…………。