第4章 金平糖分の願い……沖田 総司
ピピッ……ピピッ……
沖田
『……ん……夢……?』
力なく伸びをすれば、僕はベッドから起き出した。
テーブルの上には、カラフルな金平糖の瓶詰め。
沖田
『【今】の金平糖は、カラフルになったなぁ……。』
何気に呟いて、今、口にした言葉を疑問に思う。
沖田
『何……【今】のって……?ま、いいか。』
何時ものようにギリギリで学校に滑り込み、この日も何時ものように代わり映えしない時間が過ぎていくのだと思っていた。
千鶴ちゃんや平助をからかい……一くんからは苦言を浴びせられるのを右から左に聞き流し……。
そう言えば……薄桜学園に通う女の子は10人ほどしかいない。元々、男子校だったから仕方無いのだけど。
それでも、去年から考えれば少しは華やかになったとは思う。
周りの男子からは、狙われることは多大にあるみたいで大変そうだけど。
でも……たった一人だけ、高嶺の花って言えばいいのかな。近寄りがたくて、まだ一度も話したことすらない女の子がいる。
周りの男子からも、どことなく近寄りがたいと思われているようだ。
いつも一人でいるところしか見掛けたことがない。
聡明で綺麗で……どちらかと言えば、僕より一くんみたいな模範生と話が合う気がする。
でも……。
それでも、どうしてか……気になっているんだ。