第3章 俺色に染まれ ……原田 左之助
沖田
『左之先生って、フリーでしたよね。』
原田
『そうだが、何だ俺に自慢しにきたのか?』
沖田
『違いますよ。対象は……学生は当てはまらないのかなって思って。』
一体、何が言いたい?嫌、俺がアイツのことを……つまり、勘のいい総司は気付いていたってことか。
原田
『恋愛は一人では出来ないからな。』
『だったら……頑張ってみたらどうですか?』
原田
『出来ない。』
俺はアイツを悩ませたくない。
沖田
『左之先生って、意外に酷い人なんですね。』
原田
『何が言いたいんだ。』
沖田
『大人なんですから、ご自分で考えて下さい。じゃ、僕たちはこれからデートですから失礼します。』
彼女の手を引いては、居なくなってしまった二人。
原田
『ったく、何が言いたかったんだ?』
『原田先生。お待たせしました。』
いきなり現れたアイツに、俺は驚き……更に、言葉の意味を理解するまでに少しの時間を要した。
原田
『待たせたって……。』
『お話しがあるからって、華から聞きましたけど?』
原田
『夕月が?』
『違うのですか?』
俺はこのときになって、総司の言葉の意味を理解した。