第3章 俺色に染まれ ……原田 左之助
接点はそれから1度も訪れることはなかった。
相変わらず、俺は遠巻きで見ているだけ。笑顔を見るたびに、俺の心がチクリと音をたてる。
季節は早くも3月を向かえ、桜が満開の季節となった。アイツに告白する男子生徒の多かったこと……しかし、誰の申し出も受けることはなかった。
原田
『しかし、俺が寄りによって生徒に片想いして……更に、何も出来ないまま半年って……。』
アイツには思い人がいる。だからかもしれない……アイツはハッキリ言った。
他の誰でも意味がないと。新八からはたまに話を聞くが、真面目で努力家で物凄く勉強を頑張っているらしい。
俺は裏庭で咲き乱れる桜を見ていた。今日は修了式。
夕月
『原田先生。』
原田
『あ、夕月。総司なら見てないぜ。』
夕月
『違います。先生にお話しがあって。』
原田
『話?総司が何か悪戯でもしたのか?』
夕月
『総司さんのことなら大丈夫です。って、そのことじゃなくて……あ、あの…………好きなんです。』
夕月の言葉の意味が分からなかった。
原田
『お前……何言ってんだ。お前には総司がいるだろ。』
夕月
『あ、いえ、私じゃないです。……そ、その……。』
沖田
『全く……それじゃ、伝わらないよ。』
現れたのは総司。一体、何が言いたいんだ?