第1章 鈴の音……沖田 総司
彼女を僕の背後に隠しては、その白い手を木の枝で思いっきり打ちのめした。
慌てて引っ込んだ白い手。
そして、鈴の音が鳴り響いた。存在を誇示するかのように。
沖田
『ちゃん、大丈夫?怪我してない?』
『今の……何?』
放心状態の彼女を抱き締めた。
沖田
『あ……貴方は……。』
先程の男性と……その隣りには、彼女に似た女性がいた。
『お……祖母ちゃん?』
?
『、ありがとう。お祖父さんを連れ戻してくれて。』
『連れ戻す?何を言っているの?』
沖田
『この鈴には、連れ帰る力があったんだよね。お祖父さんは30年前にここで捕らわれたままだったんだ。』
?
『世話になったね。孫を……よろしく頼むよ。』
聞こえなくなった声と共に、鈴は粉々に崩れ消え去った。
最後に、優しい音色を奏でて……。