第1章 鈴の音……沖田 総司
駅に到着した僕たち。気になった僕は、金平糖が入った袋を開けた。
中には……金平糖と共に、睡眠薬が入っていた。捕らわれてしまった人は、他にもいたかもしれない。
沖田
『あ、ねぇ、ちゃん。あの鈴をくれたのってお祖母さんって言ってなかった?』
『えっ?お祖母ちゃんは、3年前に亡くなってるけど……。』
僕は敢えて、追及はしなかった。きっと……お祖父さんが導いてくれて、お祖母さんが引き戻してくれたんだ。
大好きな、お祖父さんに会いたいが為に……。そして、僕たちを助けてくれる為に……。
あの後、高柳家のことを地元の人に聞いたんだ。
高柳家には一人娘がいて、家付きの執事と恋仲だったらしい。しかし、その執事には家付きの女中とも恋仲になり家から逃げる際に付け火をしたと言われている。半狂乱になった一人娘は、執事を奪った女中を探しているという言い伝えがあった。
彼女のお祖父さんは学者で、昔の話を調べているうちに捕らわれたようだった。
あの鈴の出所は、二人が結婚式を挙げた神社に存在していた。
運命の人と出会わせてくれる幸運の鈴。あの後、僕たちはその鈴をお揃いで購入した。