第23章 兄貴の機転
「澤村さん、午後からもやるみたいだけど見ていく?」
国見は葵に聞く。
「私はどちらでもいいよ?国見くんは?」
葵は逆に国見に聞いた。
「俺は………澤村さんとデートしたいから……」
国見は二人に聞こえるか聞こえないかわからない位小さい声でゴニョゴニョと話した。
そんな国見を見て大地は
「葵!国見くんとこれからデートしておいで!」
葵に話す。
「えっ!デートって………う、うん。国見くん行こう!」
葵はデートと言う言葉に少し照れながらも国見を誘った。
「お兄さんすみません。せっかく練習試合見に誘ってくれたのに。葵さんとデート行ってきます。」
「別に構わないよ。暇だったら見においで位の感じで誘っただけだから。じゃあ葵の事よろしくな。」
大地は国見の肩を軽く叩き見送ろうとした。
「ちょっと待って……」
大地の後ろから烏野のマネージャーの
清水が声をかけた。
「ん?清水何か用か?」
「……二人ともお昼食べた?……おにぎり、余ったから……」
清水はおにぎりと紙コップに入ったお茶を持っていた。
「お昼食べてない……頂いていいんですか?」
葵は清水に聞く。
「余った分だけど、良かったら食べて。」
清水は葵におにぎりとお茶を渡し
トレイだけ持ってまたすぐに向こうに行ってしまった。