第23章 兄貴の機転
「ねぇ、澤村さん。お兄さんの所に行かなくて良かった?」
国見はしばらく二人のやり取りを見ていた
葵に聞く。
国見の言葉に日向と影山は
「大地さんの妹!?」
言い争いをやめ葵を見た。
葵は二人に
「妹の葵です。兄がいつもお世話になっております。」
挨拶をし、ニッコリした。
挨拶をされた二人は
(大地さんの妹だから本気で怒ると怖いはず。)
こんな事を思い少し警戒した。
黙ってしまった二人に葵は
「?兄に会いに行くので失礼しますね。」
挨拶をし、国見を連れて体育館へと向かった。
体育館内に入ると
気付いた大地が駆け寄ってきた。
「二人ともよく来たね!」
「お兄さん、お久し振りです。葵さんと少しだけ見に行こうかって話だったんですけど、練習試合終わってしまいましたね。」
葵は国見が自分の事を名前で言っていた事に少し嬉しそうにしていた。
「練習試合は午後からもする予定なんだ。もう一回やる!ってきかない奴が居てね……」
大地は苦笑いをした。