第22章 優しい彼
「あっ、そうだ!」
何か思い立ったように、国見は声を上げた。
そんな国見にキョトンとする葵。
「澤村さんのお兄さんからお誘い受けてたんだった。」
そう言って国見はスマホを出した。
「えっ!国見くんお兄ちゃんと友達だったの?」
葵はビックリする。
「うん。メールで話す位だけどね。澤村さんの家もお兄さんから聞いたんだ。」
「そうだったんだ。国見くん何で家知ってるのかなって思ってたの。」
「ビックリした?お兄さんからね、練習試合するから見においでって言われてたんだ。」
そう言って国見は大地から来たメールを見せた。
メールの内容にデートと書かれていた為
葵の胸が跳ねた。
「烏野運動公園なら家から近いよ。見に行く?」
「お兄さんにも行くって返信したから少しだけ見に行こうか。」
「うん、少しだけねっ!」
葵はニッコリ笑って立ち上がった。