第22章 優しい彼
「……嫌だったよ………何であんな酷い事したのって思った。」
葵は俯きながら話した。
そんな葵に国見は抱き締めていた身体を離し
「澤村さん、顔上げて?」
葵の肩を掴みながら言う。
葵は顔を上げると
国見は葵の首の跡と同じ場所に
キスをした。
キスをされた葵は
「く、国見くん!一体何を!?」
ビックリする。
「……上書き。少しは嫌な思い出和らいだ?」
国見はニッと笑った。
「フフっ。国見くんにはいつもビックリさせられちゃう……ありがとう、嬉しかったよ。」
葵は照れながら国見に言った。
国見は嬉しくてまた葵を抱きしめながら
(本当……澤村さん可愛いよ……キスしたいけど……泣かれちゃうかな。)
そんな事を思っていた。
「…………国見くん………恥ずかしいからもう離して……」
赤い顔で葵はお願いする。
国見はパッと離して
「ごめんね。澤村さんが可愛すぎて………」
国見は葵の額にキスをした。
「本当はね……違う所にしたかったんだけど泣かれると困るから……」
国見はそう言って葵の唇に親指を当てた。
そんな国見の行動に葵はドキドキしていた。