第3章 火照るりんごの見る夢は。
……熱い。
月島くんの体温が、熱さが、直接流れ込んでくる。
『…………っ……』
唇が離れた瞬間、月島くんは私をそっと抱き寄せ、耳元でささやいた。
「貴方が何もできなくても、僕はそんな貴方が好きなんです。だから、もっと僕を見て。頼って欲しい……」
ふぅ、と長めに息を吐き、彼は私を離した。
……まさか、キスなんて…………
予想外のことに、ぐるぐると回っていた私の思考回路が、先ほどのキスによってすべて元に戻ったように感じる。
私はすっかり我に返り、心臓の音をいつもどおりに戻っていた。
『うん。ありがと……とっても嬉しい』
そう言って、私は彼に笑いかけた。
だが、月島くんはハァハァと息を荒げ、ベッドに横になる。
……熱が上がったのか、さっきよりも苦しそうになっていた。