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月島蛍くんの思うところ。
第3章 火照るりんごの見る夢は。
「……あ」
『ご、ごめんなさい。余所見してて』
あたふたしながらそう言うと、彼は「大丈夫です」と素っ気なく言って私をよけながら歩いて行った。
――やっぱ、いい……
彼の後ろ姿を見ながら、熱くなる頬に手を当てて、そんなふうに思ってみる。
あの、無愛想な感じ……
メガネの奥の伏し目がちの視線。
それが、たまらなく好きだった。
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